先週も、とあるパラリンピアンの講演と実演のお手伝いに行ってきました
その方がおっしゃっていた印象に残った言葉が「頭で考えることの大切さ」です
スポーツの世界、特に私たちの世代は練習時間を取れるだけ取るのが良いとされていた世代です。
その方も同年代ですのでそのように育ってきましたが、次を目指す、上を目指すにはどうしたらどうなるかというのは常に考えることはとても大切だとおっしゃっていました。
私も同感です。サンバダンス、たくさん踊っているから踊れる、とは限らないと思っています。特に外国人である私は、その文化の中で自然に育ってきたわけではないし、元の考え方も違いますし、日本では大人になってから始めた人が多いです。ということは、自分の育ってきた動きや常識の中でリズムをとらえたり身体を動かしたとしても、自分の持っている世界観の中での解釈をしているわけです。
ありがたいことに、幼稚園~高校までを回っていると、教育がこうやってされてきて統制されて成長していくんだなというのが見てとます。そうすると、あー、ブラジル人ともう大元のところが全然違う、それが私にもすり込まれてる、と感じることが何度もあります。
大人になって始めた私には、違う解釈や世界感を理解するには、勉強するしかありません。現地に住んでいたとしても常に、どうして、彼らは私と違う動きや解釈をしているのだろうと常に考えながら踊っていたものです。それでわかったこともあれば、まだまだ実感として理解できないこともたくさんです。なので、現在、外国(ブラジルではないところ)に住んでいたならなおさらだと思っています。
どんなにがんばったとしても、残念ながら彼らと同じ自然の流れで感じることはできません。なぜなら日本で育ってきたバックグラウンドは消しても消せない私のアイデンティティだからです。でもそれは素敵なアイデンティティだと思っています。彼らには出せないものです。だからこそ、見た目やふるまいをマネするのではなく、日本人であるアイデンティティの上に、真髄であるその文化を融合させるのか、それが美しいと思いますし、常に頭を使っていきたいと思っています。
サンバの正解は1つではない。ある範囲の中にあればすべて◎。であれば、その中で自分らしさを出したもの勝ちです。